安曇野高橋節郎記念美術館 /   宮崎浩/プランツアソシエイツ 

壮大で幻想的な黒と金の作品世界で、漆芸の現代化を成し遂げた高橋節郎の美術館。
ではあるが、はい!まったく聞いた事もない人です。
美術館を見に行くと、まあいちよ展示されているものを眺めてくる訳だが、そうして美術品に
触れていく事で少しずづ美術品が好きになっていっている今日この頃である。H16.10


 

前面道路から建物を見る

安曇野にはやたらと沢山美術館があるが、それでも足りないというのかこの美術館はH15に建設されている。

明らかに洗練されたフォルムをしている建物ではあるが、その隣にトラクター、前に電柱がこうも主張しているとやや興醒めの感があるが気にせず写真右のゲートをくぐり駐車場に入っていった。

 

 

 

 

駐車場から建物を見る

どれだけキレイなディティールやねん!って感じです。注目すべきは材料の質感で、一見鉄板に見える写真右の材質は石で水磨きとする事で全体的なまとまりを出していて(個人的には本磨きにしてキラキラさせてもよかったように思ったが)そこに対象的に本漆喰(モルタル漆喰もどきではなく)をアクセント的に使用している訳だが、絶妙です。

 

 

 

 

正面玄関

低く抑へられた軒が美しいが写真左奥は本来水がはられていて建物をより引き立たせる効果があったのだろうが、運営費の問題だろうが水ははってありませんでした。直ぐ汚れてしまいますからね〜

 

 

 

エントランスホール

で、上の写真の扉を開けるとここに出る訳です。左手には山が見え水がはってあれば対比が美しかったんでしょうが・・・

収入と出資関係は建築を美しく保つ為には、避けて通れない問題ですが、この美術館に収入は期待できそうにありませんでした。この日は連休だというのに他には誰もいませんでしたし・・・同じ日に安曇野ちひろ美術館に行ったのですがこちらはネームバリューもあり人で賑わっていたのですが・・・

 

 

 

 

展示室から出た所

 
写真奥がエントランスホールで写真左の奥にある展示室を見終わると僕の立ち位置にでてくる訳です。

 

 

 

 

展示室U(蔵)へのアプローチ

 

そのまま、別館(高橋の住んでた家と蔵を美術館に改装したもの)に移動する訳ですが、なんと半外部なんですね〜

渡り廊下をガラスで囲むとどうしても、庭との連続性が失われていまう。今回のように、既存建築と庭と新築建物を意識的に統合して一つの空間とするには、やっぱここを半外部にするのが理想的なんだろうな〜。

 

 

 

 

蔵の展示場から戻って来た感じ

 

しっかし洗練されたデザインですね〜。ホントはサッシの前は池だったみたいですが、水がはってあればもっとステキだったんでしょうが・・・

よく見るとこの建築は数奇屋建築っポイ!寺社建築によく見られる、庭に対して並列構成されているパターンそのものである。現代版数奇屋建築とでも言えるだろう!

 

 

 

 

二階談話室

 

通常使われない部屋なんだろうが、やたら眺めがいいです。周りが山に囲まれているので、その事を印象付けるプランでもよかったような気がするが・・・基本的に周りに対して閉じたプランなんだよな〜まあキレイなプランなんですがね、面白味に欠ける気がしました。

 

 

 

 

展示室前通路

 
縁側的な要素を持っている通路である。ここで、龍安寺の石庭を見るようにこの庭を見る事になるの。木の配置は面白いが、特にこれといって・・・何かインスタレーションに近い感じです。

 

 

 

 

研究室

 
エントランスホールの奥にあるのだが、木の見せ方なんかはスバラシイ!ただ椅子とピアノが全体のイメージに全然あってませんでした。ここまで、洗練された建物になると、そのまで検討していかないと結局台無しになってしまいます。

 

 

こんな洗練された建物は谷口吉生の法隆寺宝物館以来でした。
( 谷口吉生+数奇屋建築 )/2
といった感じでしょうか?

 

studioそら一級建築士事務所