大さん橋国際客船ターミナル /  foreign office architects  hp

この斬新な建築はファーシッド・ムサビ と アレハンドロ・ザエラ・ポロのユニットによって設計されたものだが、
彼らはかの有名なOMAで同時期に働いている。そこで、よほど気があったのか、恋に落ちたのかは解かりませんが
こうして、共同して素晴しい建築を作りあげている。


江戸時代の大さん橋


 

横浜港から建物を見る

JR横浜駅からみなとみらい線に乗り換えて、やって来ました「大さん橋国際客船ターミナル」機会があれば行ってこようと思いつつはや2年(2004現在)、今回やっと見てくる事が出来ました。

見た瞬間の感想は「あれか?」って感じでした。というもの、全然建築っぽくない、左隣の建築を見ても解かるように、基本的に建物とは主張するものであり、海の上にノッペリと浮かぶその姿は、明らかに今まで見てきた建築とは異質なものでした。

 

 

 

 

メインストリート上から建物を望む

建物に向かうメイン道路を飲み込むような形態をしています。

 

 

 

 

メインストリートと建物の分岐点

で、上の道をず〜と歩いて行くと、やって来ました「大さん橋国際客船ターミナル」!写真を見てのとおり、動線は大きく三つに分けられます。@屋根の上の広場A建物内部B地上レベル駐車場ですが、注目すべきはどの動線も同じ道路からの延長という事です。ゆえに、どもレベルも地上であると言える。

似たような建築

 

正面側屋根面

このような、スロープ(斜面)の高低差によってレベルを変化させ、屋根面と内部床面を同一面にさせる事は人間の建築にはあまり見られないが、神の建築(建築の行方アトガキより)である自然造形にはよく見られる話である。山場に出来た洞穴や、海の侵食で出来た洞穴なんかは解かりやす例である。つまり、この建築は神の建築である地形の模倣であり、その要素をこの小さな敷地に押し込めた物と言える。

 

 

 

 

屋根面からメインホールに繋がるスロープ

 

神の建築は危険であり、その模倣であるこの建築も当然危険なので、こうして手摺を付けざるをえないが、もし手摺がないのならこの建築はもっと楽しくなるのに・・・

写真は屋根面から内部ホールに導くスロープであるが、まるで川のようである。

 

 

 

 

メインホール

 

で、そのスロープに導かれるまま内部空間に出ると、そのはだだっ広い洞窟になるのだが、天井低すぎ!室内暗すぎ!です。しかし、この不快な空間こそが、人間の奥深くにある本能をくすぶる。穴倉の中で、ざわめき、集まり、話し合う!こんな不快な空間なのに、皆楽しそうなのは気のせいだろうか・・・

個人的にはこの空間にずっといるのはご免こうむるが・・

 

 

 

 

メインホールから屋根に向かう

 

この建築はまるで生き物のようである。内部空間はさしずめ体内といった所であり、僕達はその中を循環する血液にでもなった気分である。
そのくらい、この建築はスムーズに連続していてかつ、やぼったい!その、空間構成としてキレイでない所がまたいっそう、建築を楽しくしているのだが・・

 

 

 

 

屋根から港の方を見返す

 

いったんメインホールによってレベルを上げられた屋根は、サブホールの為に、もう一度レベルが下がっていく。写真はその下がっていっている所だが、その両サイドの凹凸は上の写真の通路で、内部からもたどり着ける。

 

 

 

 

サブホールへの屋根面からのアプローチ

 
雨水の事がやや心配だが、屋根面はそのまま、サブホールの床になる。この連続する平面は、OMAの作品でも良く見られるが、ここまで大胆に構成されたものではない。
また、この縦長の敷地は連続する平面を構成するのにかなり都合がいい!

 

 

 

 

サブホール、一番海側

 
ず〜〜と、端まで歩いていくと、ここにたどり着くのだが、ガラスの面の角度を変化させる事で見た方向によってガラスの色が違って見えるようになっている。

 

 

 

メインホール、入口

 
初めてこうした折半構造を見たが、かなり凄まじいインパクトがありました。個人的にはこのメインホールの天井に幾つかトップライトを設置した方が、内部空間がかなり面白くなると思ったが(相互関係が出来てくる)何処か抜くって訳にはいかないのだろうか?とにかく暗すぎた!
   
   


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