MIHO MUSEUM(内観) / I.M.ペイ

 


 

エントランス

階段を登って自動ドアを開けるとこの風景です。思わず「お〜」っていっちゃいました。目の前に広がる雄大な自然の景色が広がります。注目すべきは屋根のディテールでしょう!程よく風景をぼかす事で、風景を切り取りつつも、当然透けているので空間的な広がりは維持されています。木目調のアルミルーバーですが、屋根部にとても小気味いいリズムをつくりだしています。

写真にチラッと映っているのはこの美術館の出資者である小山美秀子さん(今は亡き)が創始者である。神慈秀明会の教祖殿である。

 

 

 

 

ントランスから南館に続く空間

で展示室に向かう訳ですが、程よく屋根が低くしたり(屋根形状を上手くいかして)ルーバー効果で空間に上手くメリハリが付いてます。

展示室の中にも、パンチングメタル上の横型ブラインドとメッシュのロールブラインドを重ねたり、ブラインドだけ上げたりとその空間に適切な光を入れていました。また、そのブラインド越しにうっすら風景が見えているのが、いい感じです。

 

 

 

 

ミュージアムショップ、中国ペルシャ展示室に向かう

電気自動車はこのホールの隣まで雨の日は運んでくれます。その場合はこの空間に最初に入る事になるのですが、床レベルと敷地のレベルが近い為にそんなに感動する景色になりません。

何故、ペイ氏が動線を二階まで呼び込んだのか?それは、建物を堂々と見せる事と、ファーストインパクトである自然をより感動的に見せる為だろう・・

 

 

 

 

エントランスホールから北館へ向かう

階段も風景側に取られていて自然の中に飛びこんでいくような感じです。(写真左)

こちら側の通路はそんなに大きくないので、風景に対して広く開かれてます。その空間のボリュームにたいしてどのくらい風景に対して開いていけばいいのか?その結果の全体的な空間のリズムはどうか?みたいな事に対してとても上手く設計されていると思う。

 

 

 

 

北館ホールからエントランスホールを見返す

 
やや、落ち着いた感じの北館である。この立地条件ですから雄大な自然を見せていくのは当然なのですが、それだけでは単調すぎます。さらに、建物から建物を見せる事で建物に明確なリズムを作りだしています。メリハリがない造形だと建物の何処にいるのがはっきりしないしつまらないのもになりやすいような気がします。

 

 

 

 

北館展示室前の中庭

 
北館のホールから階段を上がってくると中庭があり、展示室の入口付近と出口付近に優しい光を届けている。展示室をぐるりと回って、出口からでると、この中庭が目に入ってきて、なんかほっとした。

 

 

 

 

喫茶店

 

一階にある喫茶店ですが、その外側はお堀になっている。空間の広がりが、お堀の庭→自然と見事に繋がっていくのだが、その間の建築の影がまたメリハリをつけていてスバラシイ。

あと、ここのケーキは最高でした。旨すぎです。紅茶も最高!ぜひお茶していきましょう!

 

ここは美術館はスバラシイし、景色は最高だし、食べ物は凄まじく美味しいし、展示物もすばらしいで、まさに桃源郷といった感じでした。
美術館と言えば、展示物を展示して見てもらう所ですが、ここはそれすらコンセプトの一つでしかありません。
美味しいのもを食べて、季節を感じ(また咲いている花がキレイな事といったらもう)、すばらしい展示物から感銘を受ける。
その一連の流れが、相乗効果をもたらしてとても満たされました。ほんとに「桃源郷」なんじゃないだろうか?又、行けるかな?

 

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