呉羽中学校 / 吉阪隆正 平面図
老朽化にともない近い将来(2002現在)、解体される事が決定した呉羽中学は
コルビュジェの弟子の一人、吉阪隆正によって設計された傑作である。
この建築をみるかぎり他のコルの弟子である前川国男や板倉準三ほどコルの影響
は受けていない様に思える。
@道路(6m)から建物を見る | |
富山の旧8号線から少し入った所にその建築はあった。道路に車を止めて校舎に目をやるとただならぬ雰囲気を持った建築がそこにはあった。 |
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A入口 |
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ここがエントランスか?と思うぐらいあっさりしている。右奥の階段を登れば職員室で「御用の方は上へお上がり下さい」と書いてあったが、この日は休校日でしまっていました。しかしエントランスが職員室から気配すらしない位置にあっていいのだろうか?ほらこうして入っていける・・・ |
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B入り口を抜け中庭を見る |
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「くわ〜すげ〜なこりゃ」と思わず声を上げてすまう程この空間に魅力を感じました。というか、こうなっているとは予想できなかった。しかもこのスケール感のすばらしい事、1つの円にすると大きすぎるので、2つの円にする事でスケールを合わせ、さらに視界を少し区切る事で、好奇心をそそる工夫がされている。感動です。 | |
C教室が取り囲む中庭から入り口側中庭を見る |
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なんといってもスケール感がすばらしい、人が一体になれる大きさ・・まさに劇場のスケール感で青山円形劇場のそれである(行った事はないがパリの桟敷席からバレーを見たときは感動しました{予行練習ですが})・・校長がこの中庭で挨拶するそうだがそのとき全校生徒が廊下にでて話を聞くそうである。(圧巻だろうな〜見て〜)たまに(シーラカンスのとかで)そういう建築もあるが、スケール感が間違っている(まあ平屋にしたいのだが)。この建築には遠く及ぶまい。 | |
D校庭から校舎を見る |
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校舎が一つに繋がっていない為、中庭の雰囲気が感じられる。様々な所にこの「空間を繋げる工夫」がされており、大変よかった。1階レベルで繋げすぎている為、こうして簡単に侵入できてしまうのだが・・この問題は社会問題になっており、一時「周りの目があるから返って安全」とか訳の解からん理由で(実際に僕は誰とも合っていません)社会にOPENな学校(打瀬小学校)がブームになりつつあったが、最近の幼児誘拐等の問題で学校建築のあり方が変わろうとしている。ていうかどうすればいいの。この前、コンペで幼稚園をやりましたが(落選ですが・・)当たり前で周りには柵、入り口限定でした。 | |
E保健室(左)を見る、右は忘れました |
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とにかく、廊下が吹きさらしの為に風邪を引いたら寒い外を通って保険室に行かなければならない。ボリュームが分断されているため電気線は、天井下げ、配管露出(何故か消火栓から出てました)せめてパイプで包もうよ・・廊下の排水も側溝にパイプさして中庭に垂れ流しで、なかなか大胆な人だと思いなした。 | |
屋上から中庭を望む |
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H16.7にJIA富山主催で、呉羽中学校の見学会が行われました。かなり行きたかったのですが、仕事の方の都合がどうしてもつかなくて、見送ってしましました。 ・・・で、友達から写真を見せてもらったのですが・・素晴しすぎます。前に見学に来たときは誰もいなかったのでリアリティがなかったのですが、こうして見ると人と人との視覚的コミュニケーションを作りだす見事な建築なのがとてもよく解かります。 |
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庭を見る |
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大体、動きが直線じゃないのがいいですね〜例えば、向こう側の人が奥へ行くのを見るとしたら途中見えなくなる訳ですし、降りていったとして突然下から出てきたりする。まあ、当たり前とえば当たり前なのだが、その当たり前の行動を劇的に見せる仕組みがこの建築にはあると思う。 は〜行きたかったな〜 |
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中庭を見る |
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「人は楽してはたくましくなれない」 こりゃなにがあっても、サイド見学に行かないと・・ |
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解体中 |
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今日、改築中の呉羽中学校に行って来ました。H17.9.5 いろんな団体が保存運動を行いましたが、老朽化も著しくまあ解体はしかたないといった感じです。。完成はH18年の10月を予定しているようです。新校舎は地元の設計事務所が計画しています。吉阪氏の意思を微妙についでいるようで、なんかこう中途半端な感じもして正直残念です。別に悪くはないけど・・・やっぱ、新呉羽中学校は前衛的な人間の内面を揺さぶるようなプランであって欲しかったので残念です。隆正の熱い思いは、闇に葬り去られたようです。 残念!!!! 二度とこんな建築できないぞ斬り |