金沢21世紀美術館 /   妹島和世+西沢立衛/SANAA 

やって来ました金沢の街へ!実はハズカシながら一度も来た事がなかのですが今回
この機会に探索してきました。では色んなイベントがやっていて、アートな街っていう
印象を持ちました。この街に金沢21世紀美術館が出来た事で益々その特色が強まって
行く事は間違いないでしょう!こりゃだいぶ差を付けられたな〜 H16・10.16


 

メインエントランスに向かう

堅町商店街(石川で一番賑わってる所)から歩いて5分もかからない所にあるこの美術館はまさに街の美術館である。お昼を堅町で食べてその足でこの美術館に向かった。
丸い大きな円盤が見えてきて、明らかに周囲の建物とは違う印象だが、高さもなく内部も覗き放題なので、なんとなく入ってみたくなる印象だ!で、その曲面の外壁に導かれて歩いて行くと・・

 

 

 

メインエントランス(東側)

こんな風に、メインエントランスに着きます。出入り口は全部で4箇所あり、建物の周囲のパブリックゾーン(カフェ、図書室、展示空間になっていて誰でも自由に利用できる空間)を自由に通行できる。まるで散歩するかの要に!

写真右手の椅子を含め館内外のいたる所に椅子が置かれていて、「集まる」「見る」「見られる」という人と人とがコミュニケーションする事を誘発している。

 

 

 

 

ホワイエ1(メインエントランスを通って館内に入る)

で、館内に入ると中庭から光が差し込んでいて明るい!この建物には全部で4つの中庭があるのだが、光を館内に届ける事はもちろん、移動の際の変化を付けたり、見る見られるの関係を付けたり(同じ部屋にいると対して向こう側が気にならないが中庭越しだと妙に気になるものである。)と、その機能は盛りだくさんである。

 

 

 

 

展示ゾーンの通路からホワイエ1を見返す

この建築はとてもシンプルな構成をしている。円形の平面を縦横に数本通路を通し、残ったスペースが展示場やホール、中庭、ホワイエ等になるというものだが、建築にイレギラーがなくなんか数式でも見ているようだ!

 

 

 

 

通路から中庭を見る

 
僕が立ってる通路は誰でも通れる通路だが、この通路から右は展示ゾーンでお金を払わないと入れないゾーンである。どりらのゾーンも同じコンセプトで構成されている為に凄い一体感がある。

 

 

 

 

休憩コーナー(パブリック)から有料ゾーンを見る

 

休憩コーナーには椅子が並べられていて、有料ゾーンを眺めている。この見る⇔見られるはこの敷地内全てに共通するコンセプトの一つで、小さなもので集まった椅子(2枚目の写真)からこういった空間構成、美術作品にいたるまで使われているが、なんとなく楽しい感じです。一人で話したり、歌ったりしても詰らない!対話したり、見られてこそ刺激が緊張感と作り出し、この美術館を楽しくするのである。

 

 

 

 

図書ラウンジから通路を挟んで展示空間を見る

 

このように展示空間をパブリックスペースと繋げる事で、普通の通路でも歩いていて楽しいものになっている。注目すべきは、建築としてはこのまま歩いていけるのにガラスの扉で仕切られているのでいけなくなっている事で凄く内部にひきつけられる構成になっている事だ!

 

 

 

 

ホワイエ

 

このパブリックスペースにもアートが展示されているのが又いい!美術館全体が(さらに言えば敷地全体が)美術館である事で建物がとても楽しいものになっている。さらにこの構想が町全体を包みアートな街づくりの完成である。

この美術館は作品一つが一つの展示室を構成している事で凄く楽しい展示空間になっている。ゆえに展示室が大小いろんなスケールで存在していて、どの作品にも対応できるようになっているらしい・・。一つの展示室にいくつも作品があるのはお互いの作品が干渉していい状態じゃないのは明白だしね!

作品が建物を構成している建築もあります

 

 

 

 

西側ファサード

 
こうして見るとホント平面的な構成のみの建築だな〜って思います。平面構成して、あと必要なだけ上に伸ばすって感じかな?もう少し断面でも遊んでよかったように思うけど・・屋上に登れたり、そのでカフェできたり上からのみ中庭に入れたり・・行けそうで回って行かないといけない空間を沢山作ると楽しい建築になると思うけどな〜(ドラクエの城なんかのそういった状態に良くなっていて楽しい感じですが・・どうやったらこの見えてる部屋に来れるんだ〜みたいな感じ)

 

 

 

 

東側ファサード

 
暗い中に建物だけが浮かびあがった姿は宇宙船みたいであるが、建物内部を歩いていると全然外が見えない状態である。昼間はあんなに外部との境界が希薄だったのになんだそりゃって感じだが理由は不明です。建物自体を展示物として見せたかったのかな?せめて、彫刻の変わりに置かれているらしい外部の樹木をライトアップしてもいいように思うが・・・

 

 

 

中庭を見る

 
夜だけどこうして建物内には入ってこれます。

 

とても楽しい美術館でした。やっぱり体験型アート作品が多かったのがその一番の理由でしょう!
市民ギャラリーの方では従来の通り、壁に作品が陳列していますが、比べて見るとその展示の
しかたがいかに詰らないものだったのか露呈してしまっています。
アートというものが、アミューズメント化する事がその本質かどうかは解かりませんが
人に多くの刺激を与える(人を豊かにする)事は間違いないし、こういった方向に
アートの作品も美術館も変わっていくのかな〜なんて思いました。

 

studioそら一級建築士事務所