鳳翔台 

玄宮園内の築山に建つ趣のある建物。
かつては、藩主が客人をもてなすための客殿であったみたいだが、いやほんんとここでもてなされたいものです。
いやしかしほんと粋ですよね〜日本の文化って、これだけの庭園に対してこの建物の小ささといったら・・・
西洋のお城なんかに比べたら大きな傘程度でしかないんじゃないでしょうか!


 

玄宮園から鳳翔台、彦根城をみる

姫路城をみてからちょっとだけお城に興味がでてきた今日この頃(2004)国宝彦根城に行ってきました。
姫路城に比べるとお城の全体的なボリュームに欠ける為、随分可愛らしく見えました。
彦根城の昔の絵を見ると、現在の樹が生い茂ってる部分全体に塀が何重にもお城を囲んでいてとてもいい感じでしたが、現在は見る影もないといった感じです。

まあ、そんなこんなで、彦根城を見た後に琵琶湖八景を模して造ったとされる玄宮園にやってきました。特にどうって事はない感じですが、そのなかで一つの茶室が目に留まりました。

 

 

 

 

鳳翔台

その茶室は傘のように外部空間に対して周囲開かれていて、空間を言うにはあまりにもうつろな感じです。日本建築全般にそう言えるのですが特にそう感じました。

 

 

 

 

鳳翔台の裏側

とにかく部材が細い・・(90角だったかな〜)この細さ、壁の無さで300年以上もの間、倒壊せずにその姿を今も残しているなんて・・・

ちなみに今の建築基準法では基本的には筋交い等の耐力壁を設けなければならない事になっていますが、茶室やあずまやはその政令から除外されています。

玄宮園の隣にある楽々園 には地震の間というのがあり、地震のさいの非難所がありました。基礎部が地盤に乗っているだけの構造で地震時には建物全体が地盤の上を滑るような構造になっているみたいです。(例えば、氷の上に物体を置いて氷をスライドしても物体は動かないみたいな感じです)

確か、今の日本では法律的にも認められている工法です。

 

 

 

 

鳳翔台

 

この建物の位置関係・・いったいなんなんでしょうこの素晴しさは・・楽々園の方の建物も中には入れないのですが、位置関係が絶妙です。図面を見るだけで胸にこみ上げてくるのもがありました。

この頃の人たちってどうやって建築を勉強したのでしょう?この位置関係を作り出せるようになるまでには、結構かかると思うけどな〜

 

 

 

 

鳳翔台台の中

 

なんと500円払うとここでお茶が出来ます。この景色を見ながら飲むお茶は最高です。ホント殿様にでもなったような感じになれます・・・なんというか・・ただ庭が見えるだけじゃなく建物越しに見る感じがまたいい感じでした。

畳の上に座るという行為には椅子に座るという行為にはない、中心性がある。椅子に座るとあくまでも後ろは後ろだが、あぐらや正座には後ろがない・・まるで世界の中心にいるような感じでもある。そしてその感じの延長にあるのがこの建物で、当然のごとく周りと繋がる為に空間が抜けているのである。

まるで神にでもなったようであり、石になったかのようでもある。しかし、一杯のお茶をすすると、自分が自然の中のただ一つの小さな生命体だという事に気付くのである。(妙にお茶が体に染み渡ります。)

 

 

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