ヴィラ・エステリオ /  北川原温      撮影H17

山梨県甲府のブドウ畑に突如現れた異業種交流型工業団地「アリア
都市デザインは北川原温氏が行っている。都市デザインと言っても、それぞれが独立したデザインであり、
なんの脈絡もない。団地内は、デザインされた建物が多く工業団地というよりは、美術館公園といった感じである。


 


 

左 ヴィラエステリオ(バンケットホール)   右 サンタリア教会(チャペル)

よく見えませんが、写真右手がサンタリア教会というチャペルで人気が出てきたらしく本格的な挙式が出来るように、バンケットホールとしてヴィラエステリオを新設したみたいです。

全体的にぼんやりと白く、強調する所はとことん輝いていて、光のコントラストが見事で感動ものの建物です。

 

 

 

 

工業団地内メイン道路側ファサード

造形的な建物です。建物をいくつかのボリュームを重ねてリズミカルな構成としています。
しかも、建物の面の角度を変えたり光の照度を変えたりしてそのリズミカルな構成を強調しています。

部分的に内部がちらちら見えて、建物に奥行きが出ています。人気のない工業団地だからこその構成ですが実に神秘的です。

 

 

 

 

サンタリア側中庭

サンタリアからのアプローチは多様です。この建物にはメインエントランスといった建物の正面的な要素が小さく、下の写真のような玄関的な所からアプローチしたり、写真の左側から建物沿いにアプローチしたり出来ます。
ヴェラエステリオ自体、内部、半外部が交差する構成です。西洋のお城の構成に近い気がします。

靴を脱ぐ行為に慣れ親しんだ僕たち日本人にはこの空間構成は珍しいものですが、ゆえに少し気持ちが弾むというものでしょう!

 

 

 

 

エントランスホール

エントランスと言えばエントランスなのだろうが、そのスケールは小さめである。バンケット以外は基本的に腺で構成されており、まさに「VILLA(邸園)」を歩き回るイメージである。

 

 

 

 

エントランスからバンケットホールへ抜ける途中の空間

 

ボリュームとボリュームの中間に半外部空間を挿入する事でスゲー建物の存在が薄くなって透明性が感じられます。

 

 

 

 

バンケットホール前

 

とにかく神秘的な建物でした。
こうした広場の脇を歩いて、目的の部屋に向かう構成はそこまで異質なものではないが、大きすぎない事(大きすぎると空間としては抜けすぎてしまう)、光で柔かく満たされている事。外部に対して少し空間が抜けている事(写真2)が、いくつかの挿入された中庭をとても神秘的な空間としていました。

 

いろいろ建物を見てきたけど、これほど神秘的な建物は初めてでした。
基本的に見学出来るみたいです。バンケットホールに入れなかったのが悔やまれます。
写真見て解かると思いますが夜見に行きましょう!
「アリア」の中には他にもステキな建物がいっぱいあるので、
数時間なら時間をつぶす事も出来るかと思います。