自由学園明日館 みょうにちかん/  フランク・ロイド・ライト     撮影H18


場所

大正10年に 創設者の羽仁吉一、もと子夫妻の友人である 遠藤新(帝国ホテル以来のライトの弟子)の紹介により
この建物は ライトが設計する事になる。

 


 

道路側から建物を見る

JR池袋駅を下りて雑然と並ぶビルの脇道を一本入ると急に閑静な住宅街が細い路地を囲うように広がる。 こんな所にある訳???と 思ったのもつかの間 その建築は急に僕の前に現れた。

 

 

 

 

構内入り口から建物を望む

お〜〜スゲー ライトだ〜〜

そのたたずまいはいかにもライト!!初期のフレイリースタイル(庇が深くラインが通った草原に似合う建物)を思わせます。

大正10年の日本には かなり斬新なデザインだったのではないでしょうか!

門扉のデザインが 建物と合わせながら主張していてイカシマス。

 

 

 

 

鳥瞰模型

校庭を包むようなデザインです。

この手の構成は、移動の際、建物の他の場所を眺める事になり一体感が生まれる事になります。

さらに、一体感が生まれる構成
呉羽中学校/吉阪隆正

 

 

 

 

断面模型

ステキな建物ってやっぱり断面がステキです。

空間の大小がリズミカルで変化に富んだ空間構成になっています。

驚くべきは この大空間を木造建築(2×4的な建て方)で構成している事です。

そして、数々の地震を乗り越えて重要文化財の指定を受け改装した1997年まで、その形を保った事で、木造建築の可能性を示唆しています。

 

 

 

 

回廊から建物を見る

 

入館料を払って、敷地内に回廊沿いに進むと、建物内に序所に入っていく感じで 回廊がアプローチ的な役割も果たしています。

 

 

 

 

記念室

 

敷地両サイドの回廊沿いの建物は 部屋が並んでいて 専門教室的な使われ方をしていたと思われます。

ライトの建物はコーディネート具合が凄まじく 木サッシ、建具、椅子なんかを 同じ調子で揃えて 統一感ある洗練されたデザインなんですが、木を基調としているので、そこに温かみもある パーフェクトな構成となっています。

 

 

 

 

正面建物裏の通路

 

回廊を進んでステキな木の建具を開けると、建物の裏側の通路に続きます。

ライトは良く床や壁に大谷石を使いますが この建物にも随所に使われています。

大谷石の柔らかい感じって 建物に凄くよく馴染みます。

ヨドコウ迎賓館 にも結構使われています)

 

 

 

 

食堂

 
裏側の通路をそのまま行くとホール隅に出るのですが、その脇の階段を上ると食堂にでます。

トータルコーディネートがすばらしいです。机や椅子(赤くポイントが入っている所なんかもステキです)なんかももちろんステキなんですが、特筆すべきは 照明のデザインです。

大きな空間の場合 結構空間が間延びしてしまい勝ちですが、ここでは照明に飾りを付けて 天井側があっさりしすぎないように工夫しています。

し・か・も この照明 梁が開かないようにブレースの役割もしています(多分) そのブレースを生かして 照明デザインをステキに作るあたりは天才です。

 

 

ホール裏側

 

食堂と ホールはステップフロアーになっていて(断面模型参照) ホールから半分上がると食堂さらに半分上がるとホール上部のスペースにでます。

ステップフロアーは 昇降距離が短いので、空間に程よい連続性が生まれます。

 

 

 

ホール正面

 
ホール およそ木造建築とは思えない開放的なデザインとなってます。(今の技術ならともかく)

ここで飲んだ ティーは最高でした。

 

「トータルコーディネート」 この言葉がとても似合う建物でした。

建物と照明と家具との調子を合わせる。
これは凄くオーソドックスなやり方ではあるが
それをここまで高い次元で見せつけられると
ただただ感心する他はなかったです。