旧園邸    hp

金沢の中心地にあるこの住宅は大正7年に建てられた近代和風住宅である。




 

前面道路から建物を見る

イマイチ正確な位置を調べて来なかったのだが、近くのお店の人に聞いたら親切に教えてもらって無事到着!!

で、建物を眺めると、なるほど・・この頃の都市型住宅の典型(切妻屋根で玄関部に別に妻を儲けてその構成を前庭と塀で受ける感じ)であっただろう構成ですが、バランス感覚やボリュームの置き方が素晴しいです。門を屋根の高さ関係なんて、絶妙です。

ただ、電柱が邪魔ですね〜引っこ抜きたいです。

 

 

 

アプローチ(前庭)

で、門の天井が低いんですよね〜ちょっとくぐり抜ける感じなんですが、違う空間への入口みたいな感じでとてもステキです。で、アプローチの前庭に出る訳ですが、この前庭が適切な大きさで取られているので住宅がとても趣深く感じられます。

ていうか、昔の人ってなんて粋な感覚を持っているのでしょう!さして大きくもないこの敷地においてアプローチをこれほど大事にしているなんて・・・

 

 

 

玄関から中庭を見る

で、玄関に入ると何人かの靴が置いてありました。今度ここでお茶会をするらしく、その予定を立てているみたいでしたが、いいですね〜ステキですね〜。

てか、このうつろな空間はなんなの?半外部空間的で、各場所の用途がはっきりしない、収納部分もない(土蔵が別にある)・・・どういう風に生活していたのか体験してみたいものである。

 

 

 

 

中庭

 

中庭に、屋根の隙間から光が差し込んで、地面に反射して室内に柔かい光を届けています。が、その屋根間にはガラスの屋根が架けられて、ちょっと興醒めですね〜まあ、雪の問題でもあるのだろうか・・・よく解からんが、この隙間から雨が降って、庭の植物にかかっているのを見ると、自然の一部を切り取り観察する神にでもなったかのよな感じになれるような気がするのですが・・・何故軒樋が付いているのか不明ですが・・

 

 

 

茶室全室から外部を見る

 

障子が普通に外部に面してます。そりゃ、庇は深くでていますが・・・和紙って濡れても問題ないのかしら・・・

 

 

 

茶室

 

で、これが茶室になる訳ですが、天井が低いのなんのって180CM前後くらいしかないなんて・・これにはビックリさせられました。しかし、立っていると低くてどうしようもない天井が座ると、そんな違和感ないから不思議だ!つまり、ここでは座るという行為は空間を作りだすという、創造的な行為にあたるのである。(僕の部屋は天井高は2450ですが、なるほど確かに座ると高すぎる・・)

しかも、この部屋のTOPライトは普通の障子だし、天井と壁の取り合いは空いてるしで、どうなってるの〜って感じですが、考えてみれば、とりあえず雨に濡れないのだから、特に問題ない、むしろ、風を感じ、光を感じ、狭いがゆえに一つ一つの動作に意味が発生してくるとなれば、まさに茶室と言えるのだろう・・・

 

 

 

玄関から門に向かう

 

で、この低い門を抜けると本の世界に戻るという訳である。
トンネルを抜けた時、土管を通って向こう側に行ったとき、その向こう側はもしかして別世界ではないのか?という魅力がある。言わば、別空間を繋ぐ装置なのだが、この門もちょうどそんな感じである。

 

 


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