木材と水切

目的:木材と板金の取合における問題点の解明

問題例:外部真壁納まり(柱が露出した納まりのもの)の外壁面
 及び、屋根面と壁面の柱部の取合

 

実験方法

材木(桧)にノコギリで切込みを入れて、アルミ箔を何重かに折り曲げた物を差し込んだ状態でややお椀型にして、上から水滴を垂らしてその経過を観察する。

 

 

 

一分もしない間に裏側に水が回る。
経路とすれば、サイドに上部から伝わっていきアルミ箔が無い部分で下側に回り込み、後は裏漏りする形である。

ただ、両サイドを防いでも、切り込み口に染み込んだ水が木材内部へ浸透し、アルミ箔の裏側に回るので同じ事である。(若干時間はかかるが、止めれない)

 

 

 

恐ろしいのは、一度裏に水が回ると、あとはその水道を通って漏れ放題である。だらだらに裏に水が回る。

これは怖い!

 

まとめ

木材で水を止めるなんて考え方は基本的には成り立たないと思うが、
(まあ板目、柾目はそんなには浸透していかない、導管の切断部は吸込む)
伝統的な外部真壁構造の住宅はその美しさから、今なお根強い人気
がある。しかしながら、木材は含水率により簡単に膨張収縮し(よく壁と柱が空いているのを見られてと
思います)含水率0%〜30%で円周方向で1割、半径方向に0.5割変形する。
納入時に含水率20%で気乾状態15%とすると、柱で2mm収縮する事になる。
柱面で防水紙が切断され、さらに収縮の事や、上記の実験のようにならない為
のシール(三角シールは切れるし、木材欠き込んだシールは構造上問題外だし)と
考えていくと、この工法はかなり問題点を抱えている。
それでも、なお僕達日本人はこの伝統的工法を守る為に、
この問題点から目を反らす事は許されない。

まあ、丁寧に気をくばるしかないのですが・・
後は付柱かな?反り方が不自然ではあるが・・


TOP
富山の建築
建築実験室