バルセロナ・パビリオン / ミース・ファンデルローエ

この建物は1929年に開催されたバルセロナ万博の日にスペイン国王
が「黄金のゲストブック」にサインする為の場所としてミースが設計した
ものである。「パビリオン」とは{一時的な仮説の建物 }の意味であり、
博覧会終了後、取り壊されたが、1986年に再建され現在に至る。


 

ファサード1

この建物は、1951年に竣工したあの名作のファンズワース邸の布石となっている。8本のクローム貼りの十字の柱が7mピッチで2×4で配置され、壁は自由な位置に配置する事ができるようになっている。この壁の位置によって、空間の繋がり、開放性を表現する訳だが、ファンズワース邸ではガラスを、この建築では、石とガラスを使用したという違いだけで、根本的には一緒なのである。

 

 

 

ファサード2

現代建築の先駆けと言うべき作品だが、彼はライトの影響を多分に受けている。19歳年上のライトはミースの学生時代の憧れであり、ゴシック建築やビクトリアン建築が主流だった頃、水平方向に伸びるライトのプレイリー・スタイルに感動したに違いない。

 

 

 

内部

国王夫妻が座る為の場所として、バルセロナチェアを用意したミースだったが、実際は座られなかったらしい。ミースの名言である「LESS IS MORE(最小は最大である)」のとおり、この建築にはいらないデザインは一切存在しない、キーワード(柱、壁、床、天井)のみが明確にその存在を主張しあっている・・・・ような気がする。

 

TOP
世界の建築
studioそら一級建築士事務所